(質問)
近所の犬が夜中に吠えるため、うるさくて困っています。苦情も伝えましたが、納得できる対応をしていただけません。どのような解決方法があるのでしょうか。
(回答)
工場、建設工事や自動車等から発生する騒音については騒音規制法により規制されていますが、同法は生活騒音には適用がなく、各自治体が独自の条例を定めて生活騒音に関する規制や基準を定めています。神奈川県では、神奈川県生活環境の保全等に関する条例第百二条が、日常生活に伴って発生する騒音による公害を生じさせることがないように配慮すること、地域の快適な生活環境の保全に努めることを定めています。各市町村が生活騒音について相談窓口を設けていますので、一度、自治体に相談してみることが考えられます。
自治体に相談しても解決できないような場合、犬の鳴き声が社会生活を行う上で受任すべき限度を超えているときは、飼い主に対し、防音設備の設置など、騒音の防止を求める請求や精神的苦痛に対する慰謝料の請求ができる場合があります。受忍限度を超えているか否かは、鳴き声の大きさ、鳴いている時間帯、鳴いている時間の長さ、ご相談者の居住する地域の状況、頭痛や不眠等の被害の発生などの事情を考慮して判断されます。
これらの請求を直ちに訴訟によって行うことも考えられますが、隣近所の関係でもあることからすると、簡易裁判所での調停により、話し合いによる解決を検討することも一つの方法であると思われます。
(担当弁護士)
加藤 修一