脱サラして飲食店を開業しようと考えています。自己資金の足りない分を借入れることにしましたが、海外で年金生活を送る両親が保証人になる事はできるでしょうか。

(質問)

脱サラして飲食店を開業しようと考えています。自己資金の足りない分を借入れることにしましたが、海外で年金生活を送る両親が保証人になる事はできるでしょうか。
(回答)

保証(保証契約)は、借入れをした人(以下では「主たる債務者」といいます。)が、借金を返済できなかったときに、主たる債務者に代わって保証人が返済をするという、保証人と債務者との間の契約です。
ですから、債務者としては、通常、保証人となろうとするものに安定した収入や財産があるか等、そのものが保証人としてふさわしい人物か否かを慎重に判断するでしょう。
民法も、債務者が保証人を立てる義務を負う場合、その保証人は、①行為能力(一人で有効な法律行為を行う能力)と②弁済の資力を有する者でなければならないと定めています(民法四百五十条一項)。
相談者のご両親は、海外で年金生活を送られているという事ですので、貸付額やほかの貸付条件にもよりますが、債務者が、ご両親の資力が十分とはいえないとか、海外にいるご両親とすぐに連絡が取れない可能性があるといったリスクを考慮し、ご両親は保証人としてふさわしくないと判断する可能性もあるでしょう。


(担当弁護士)
吉田瑞穂
カテゴリー: お金のこと